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 アプカルル(Apkallu)

【分類】

 オリエント神話(Near Eastern mythology)

【解説】

 アプカッル、アプカルとも表記される。
 カッシート時代以降の新バビロニアや新アッシリアの美術に現われる、善なる精霊。アプカルルは大洪水の前に人類に文化を授けた「七賢聖」であり、水の神エアと結びついている。アプカルルの神話は非常に断片的にしか残っていないが、バビロニアの神官ベロッソスが書き残した『バビロニア誌』におけるオアンネスの神話がアプカルルの神話を非常に良い状態で伝えていると考えられている。
 アプカルルは、歴史的には時の王に仕える非常に優秀で賢い宰相と、同じく王に仕える熟達した職人のことを指していたらしい。そして彼らアプカルルは、自分たちの高度な文化や伝統的な技術を、いまだ文明化していなかった人々に教えたという。この事実が、神話的には、あらゆる文化の創造者であるエア神からアプカルルという非凡な使者を介して人類にそれらが授けられた、という風に物語化されたわけである。なお、このアプカルルのなかでも特に高名な賢者アダパの本当の名前は実はウアンナであり、これがベロッソスの言及したオアンネスのことであると考えられている。
 アプカルルは普通の人間に魚の皮をまとった姿や鳥頭で翼がある姿で表現されることが多く、7体セットで建物を守る儀式などに使用された。

Toroia





【参考文献】

・『古代メソポタミアの神々』 三笠宮崇仁(集英社)
・『大英博物館アッシリア大文明展−芸術と帝国 図録』 田辺勝美(朝日新聞社)
・『世界神話大事典』 イヴ・ボンヌフォワ(大修館書店)