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バール(Baal)
【分類】
オリエント神話(Near Eastern mythology)
【解説】
カナアンの神。至高神エルあるいは海神ダゴンの息子。女神アナトの兄であり夫。雨と雷と稲妻をつかさどる豊穣神。「バアール」(バアル、バールとも)の名は「主」を表す。死神モト(モート)に一度は殺されるが、復活を遂げる。これは、季節の循環を意味している。
藤井正浩
バールとは、主とゆう意味であり、固有名詞ではない。バビロンのベール・マルドゥク(我が主、マルドゥクとゆう意味。)影響と言われる。本当の名前はハダドである。メソポタミヤの同じく嵐の神であるアダドと同一神格ではないかと思われる。
エサギラの管理人
彼はテュロス、シドン、アルワド、ビュブロス、そしてウガリットの民の上に座する3神のうち、一番親しまれていた神である。父親はエル(ただし、シドンでは彼もバールと呼ばれた)、そして母親はアシェラ(アスタルテー或いはビュブロスにおいてはバーラト)、そして、その二柱の神の子供がバアルである。ゲバル人にはアドン、アドニ、アドニスと呼ばれ、テュロス人にはメルカルト(太陽神として)、シドン人にはエシュムンと呼ばれた。また、キリスト教の聖ゲオルギウス、またイスラム教のハドルという形で、バールの姿は残っている。
彼の最大の特徴は彼の死によって季節が変わる(あるいは7年の周期で大干ばつが訪れる・・・冬ではなく夏が、作物にとって最大の敵だった)というところであろう。が、前述されているためにこの話は割愛する。
古いウガリットの神話において、バールは雨神である。彼は神々の住む山に宮殿をたて、そしてそこから雲に乗り稲妻を手にして現れる。また、「投げても舞い戻る棍棒」を武器として戦ったこともあるという。彼の神殿は多くが山に建てられており、それは彼が山岳神であったことも示している。
海の民であったフェニキアの人々にとって、嵐は最大の脅威であった。それを沈める神として、彼を称える歌などが残されている。カナアンの伝説では、彼は砂漠の縁で牛頭の怪物と戦って殺され、生き返ることはない。
ARES
【参考文献】
・『日本未確認生物辞典』 笹間良彦(柏美術出版)
・『幻獣ドラゴン』 苑崎透(新紀元社)
・『悪魔の辞典』 フレッド・ゲティングス/大瀧啓裕(青土社)
・『フェニキア人』 ゲルハルト・ヘルム/関楠生(河出書房新社)
・『天使』 真野隆也 (新紀元社)
・『ヴァンパイア』 森野たくみ(新紀元社)
・『地獄の辞典』 コラン・ド・プランシイ/床鍋剛彦・吉田八岑(講談社)