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マーラ(mAra)
【分類】
仏教(Buddhism)
【解説】
菩提樹の下で瞑想するブッダ(ガウタマ・シッダールタ)を誘惑した悪魔。カーマとマーラは、存在の2つの側面をなす。すなわち、カーマは生への欲望であり、マーラは死の恐怖である。
藤井正浩
六欲天の第六天である、他化自在天の主。パーピーヤス(Papiyas, pApIyas)即ち天魔波旬と同一と考えられる。釈尊の成道の直前に自らの娘らを遣わして誘惑しようとしたが、逆に釈尊によって降伏される。これが有名な降魔成道である。これは釈尊が自らの心の内に潜む魔(例えば欲望など)にうち勝ったことを示すものである。ちなみにパーピーヤスとは罪悪をしめす(pApa)の比較級であり、そうすると魔王はどうしようもない悪者ではなく、「かなり悪い奴」であって、かなり悪い魔王=人の心に潜む魔、即ち煩悩であるとするならば、退治することができるものだ、という仏教的な性善説の一端を垣間見ることができる。大乗仏教では煩悩のことをよく客塵煩悩(Agantuka-kleza)といって、人間の心は本来清らかなものであるが、煩悩が客となって一時的に汚されているにすぎないという。マーラとは我々の心に住む煩悩なのである。
海龍王
【参考文献】