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磐次・磐三郎(ばんじ・ばんさぶろう)
【分類】
日本の伝説(Japanese legend,folklore)
【解説】
他に、磐司、磐神郎、万三郎、と書かれる。
人と猿の間に生まれたとされる、弓の名手である兄弟の伝説で、マタギ(東北地方の狩猟の民)の始祖とも言われる。
宮城県仙台市から山形県山形市にかけて残るいくつかの伝説と、『神を助けた話』として残る伝説がある。(俵藤太の項目を参照のこと)
後者の伝説は、日光の二荒(ふたら)山神(また日光権現)と上野国の赤城明神の争いを書いた『神いくさ』の物語を、磐次磐三郎が日光山麓の生まれであり弓の名手だという伝説から引き込んだものだと考えられる。神いくさに登場する弓の名手である若者の”猿丸太夫”という名も、兄弟の出生とつながっている。
なお、日光の生まれだとするものと別に、宮城県秋保(あきう)の生まれだとするものがある。
どうやら、日光付近の山立(マタギに同じ)がその開祖として磐次磐三郎兄弟を据え、その伝説を狩り場の権利の主張に利用した際、日光の伝説と結びついたようだ。
<山形市山寺 立石寺(りゅうしゃくじ)の縁起>
ある姫(山姫)と大猿(猿王)の間に、磐次磐三郎兄弟が生まれた。
成長した兄弟は、狩猟をしたり山賊行為をしたりして暮らしていた。
ある日兄弟は、ある僧(慈覚大師)の身ぐるみをはがそうとしたが、逆に僧に説法を施され改心して以後狩猟をやめ、立石寺建立に尽くした。
W3104
【参考文献】
・『日本書紀』 坂本・家永・井上・大野校注 岩波書店
・『古事記』 武田祐吉訳注 中村啓信補訂・解説 角川書店
・『今昔物語集』 佐藤謙三校注 角川文庫
・『宇治拾遺物語』 中島悦次校注 角川文庫
・『御伽草子』 市古貞次校注 岩波書店
・『日本伝説集』 武田静澄著 現代教養文庫
・『日本伝説集』 高木敏雄著 山田野理夫編 宝文館出版
・『昔話・伝説必携』 野村純一編 学燈社
・『全国妖怪事典』 千葉 幹夫 編 小学館
・『日本宗教の全て』 瓜生中 渋谷申博著 日本文芸社 他