【分類】 日本神話(Japanese mythology) 日本の伝説(Japanese legend,folklore) 【解説】
第7代の天皇とされる、孝霊天皇の子。 他に、彦五十狭芹彦命(ひこいさせりひこのみこと)、大吉備津日子命(おおきびつひこのみこと)と呼ばれる。 吉備は、広島県東部から兵庫県中央部にかけての地域を指す、古い地名。 古事記、日本書紀の第7代孝霊天皇から第10代崇神天皇の時代にかけて登場するため、西暦200〜350年頃に実在した、吉備地方の支配者ではないかといわれている。 キビツヒコという呼び名が一般的だが、これは単なる”吉備の男”や”吉備の支配者”を表す呼び名で、他に”吉備冠者(きびのかじゃ)”とも呼ばれる。 その弟は、若建吉備津日子命(わかたけるきびつひこのみこと)または、稚武彦命(わかたけひこのみこと)で、後世に一族を残している。 孝霊天皇以降の時代に、当時吉備を支配していた温羅(うら)を討ち、吉備の支配者となったとの伝説がある。 日本書紀には、崇神天皇が北陸(くがのみち)、東海(うみつみち)、西道(にしのみち)、丹波(たにわ)へ、四道将軍(よつのみちのいくさのきみ)の軍をそれぞれの地方に派遣したとあり、その内の西道の将軍が吉備津彦命だったとされている。その任で、大阪の反乱鎮圧にあたった後、出雲へ遠征したとある。 吉備津神社につたわる釜鳴神事の縁起で、温羅と共に広く知られている。 渡邉聡士 【参考文献】 ・『日本書紀』 坂本/家永/井上/大野校注 (岩波書店) ・『古事記』 武田祐吉訳注 中村啓信補訂解説 (角川書店) ・『今昔物語集』 佐藤謙三校注 (角川文庫) ・『宇治拾遺物語』 中島悦次校注 (角川文庫) ・『御伽草子』 市古貞次校注 (岩波書店) ・『日本伝説集』 武田静澄 (現代教養文庫) ・『日本伝説集』 高木敏雄 山田野理夫編 (宝文館出版) ・『昔話・伝説必携』 野村純一編 (学燈社) ・『全国妖怪事典』 千葉 幹夫編 (小学館) ・『日本妖怪異聞録』 小松和彦 (小学館) ・『日本宗教の全て』 瓜生中/渋谷申博 (日本文芸社) |