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 オホヤビコ

【表記】

古事記大屋毘古神
先代旧事本紀大屋毘古神


【解説】

 『古事記』ではオホヤビコ、『日本書紀』においてはイソタケル。同一書五に、スサノオの子をイソタケルと記す。その妹に、大屋津姫命。『先代旧事本紀』に注釈があることから、オホヤビコとイソタケルは同神であると考えられる。

 『古事記』の国譲り神話では、ヤガミヒメとの結婚が決まったオホナムチに、兄弟の八十神が嫉妬し、殺してしまおうとする。何度も命を狙われ、最後にオホナムチは木の国のオホヤビコの元に逃げ込み、助けを求めた。オホヤビコは、オホナムチを木の俣からくぐらせ、スサノオの根の堅州国へ行くように言った。
 『日本書紀』八段一書四によれば、スサノオと共に沢山の木種を持って新羅に降臨したが、曾尸茂梨(そりしも)という地に住んだ。そこから日本に渡り、大八島国の全土に植林して回ったという。その後紀伊国に鎮座し、伊太ケ曾神社に祀られた。

 以上の様に、オホヤビコは日本の文化である木を司る神であり、そこから大地にの恵みを与える神格も備える。林間業者などの信仰も篤い。また、新羅から土の船を使って日本に渡ったことから、スサノオと共に航海の守護神でもある。





【主要神社】

 ・来宮神社(静岡県熱海市)
 ・渡津神社(新潟県佐渡郡)
 ・高瀬神社(富山県礪波郡)
 ・広峰神社(兵庫県姫路市)
 ・伊太ケ曾神社(和歌山県和歌山市)
 ・猛島神社(長崎県島原市)


【参考文献】

 ・『古事記祝詞』 日本古典文学大系1(岩波書店)
 ・『日本書紀上・下』 日本古典文学大系67・68(岩波書店)
 ・『風土記』 日本古典文学大系2(岩波書店)
 ・『日本神話事典』 監修…大林太良 吉田敦彦(大和書房)
 ・『日本の神様を知る事典』 阿部正浩(日本文芸社)
 ・『日本の神社を知る事典』 菅田正昭(日本文芸社)
 ・『新訂 古事記』 武田祐吉 訳注 / 中村啓信 補訂・解説(角川文庫)
 ・『神話の森』 山本節(大修館書店)
 ・『神社辞典』 白井永二・土岐昌訓 編(東京堂出版)
 ・『神社』 岡田米夫(東京堂出版)
 ・『日本の神々事典』 薗田稔・茂木栄 監修(学研)
 ・『八百万の神々』 戸部民夫(新紀元社)
 ・『神話伝説辞典』 共編(東京堂出版)
 ・『日本神話の考古学』 森浩一(朝日新聞社)