モンゴルの一民族、カルムイク人は王や高官が重病になった場合、臣下の一人が、エルリクへの生け贄えとしてアンディヌに選ばれる。いわば主人の身代わりとなるのである。エルリクの魔手から主人を救おうと決めた者は、病気の主人から名前と豪華な衣類と武具一式を譲り受ける。
そして、外見を主人そっくりにしつらえて主人愛用の馬に乗り、成功の祈祷を僧侶やラッパが響くなか偶像礼拝堂の周囲を巡らされた後に追放される。追放された者は、他の村へ行って生活出来るし、そこで結婚も出来るが、アンディヌの名は生涯捨てられず、それを子供にも伝えねばならない。こうした風習は今では廃れて、人間の生贄の代わりに、粘土や小麦粉で作られた人形で代用されている。
|