インドシナのある所に、アパンキトロクという翁がいた。彼は九回老いて九回若返るという、いわゆる不老の者であった。もっとも、その頃は彼に限らず誰でも不老であった。
ある日、アパンキトロクが河へ漁に行くと、栗鼠や猿が水に溺れていた。それは木の上で眠っていたのが水に落ちたのであった。
これを見たアパンキトロクは、悪戯をしてやろうと思った。そこで栗鼠や猿の死骸を拾い上げて籠の中に入れて布を被せ、丁度自分が死んだように装っておいた。
隣の人はそれを見て、アパンキトロクが死んだと思って、みんなで集まって葬式をしようとした。
それを聞いた太陽は、アパンキトロクの亡霊が自分の所にやって来ないのを訝って、生命の綱を調べてみたが、やはりまだ切れていない。そこで使者を遣わして調べてみると、彼の悪戯だという事が分かった。そこで太陽は怒って、こんな悪戯者を生かしてはおけないと言って、生命の綱をプツリと切ってしまった。
その時から人間の寿命は短くなったのだ。
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