ヘルメスとヘルセの息子。または、デイオンとディオメデの息子。オウィディウス『変身物語』で語られるのは、ケパロスとプロクリスの悲しい恋物語である。
ケパロスとプロクリスは、お互いに愛し合っていた。しかし、彼のその美しすぎる容貌に恋をしてしまったのが、エオスだった。エオスは燃え上がる感情を抑えきれずに、自分の城に連れ去ってしまったのだ。だが、プロクリスを愛するケパロスはエオスの求めをはねのけた。納得しないエオスは、「プロクリスの貴方への感情は本物かしら?」といい、ケパロスをまったく別人に変装させて、プロクリスを誘惑させた。
彼の帰りを待ちながらも、寂しさに耐えられなかったプロクリスは、まったく別人になったケパロスの求婚を受けてしまう。その瞬間に、ケパロスの変身は解け、元の姿に戻ったケパロスは激怒し、彼女の不実を責めた。涙を枯らした彼女は森の中に逃げ込み、アルテミスの従者になってしまった。
彼は自分のした事を後悔し、彼女を探し求めた。そして、遂に愛する妻と巡り会ったケパロスは改めて彼女に求婚するのであった。そしてプロクリスは、アルテミスから授けられた「絶対に的を外すことのない槍」を彼にプレゼントした。
しかし、幸せは長くは続かなかった。平穏は二人の間に猜疑心を生み、プロクリスは夫が今でもエオスと通じているのではないかと疑い、ケパロスが森へ狩りに行く後をつけた。それに気付かないケパロスは、森の中で草がざわざわ動いているのを見つけると、獲物だと思い、「絶対に的を外すことのない槍」を投げた。そして、その槍は一直線に彼女の胸を貫いたのだった。その腕に抱かれながら、彼女は真実を知らされたのである。愛する者の命を自ら奪ってしまったケパロスは、その罪に問われ、ケパレニア島に追放された。
そこで彼の心を癒したのはクリュメネだった。やがて二人は結婚し、その地の王となった。二人の間には、イピクロスという息子が生まれている。
|