妖精が人間の子供(さらには、その母親)を盗むこと。自分の子供と人間の子供を取り替えることをいう。
子供を盗んだ後に、子供に似せたストック(木偶)にまやかしの術をかけて置いていくので、生命が宿っているように見えるが、すぐに衰えてしまう。だが、その木偶は人間の手で、人間の赤ん坊並みの弔いをしてやるという。
また、自分の育たない子供、もしくは、用済みになって年老いたしわくちゃの老人などを置いていくこともある。
自分の子供が取り替えられた時には、自分の子供を取り返す方法がある。
麦の束を三つ持って妖精丘に行き、それを一つづつ燃やしながら、赤ん坊を返さなければ丘に生えているものを全て燃やしてやると脅せば良いのだ。
もう一つの方法として、自分の子供が取り替えられたと思ったら、その子を痛めつけたり、捨てたりして、妖精の両親が自分の子供を取り返しにくるようにすればいい。だが、この方法は勘違いで妖精の子供と思われた人間の赤ん坊には悲惨なことである。障害があったり、未熟児が生まれた場合は、取り替えられたとされ、両親は、捨てたり焼いたりすることを勧められたという。また、自分の子供を捨てるための方便に利用した者もいたかもしれない。
取替え子が年老いている場合は、2ダースほどの卵の殻を用意して、暖炉の上に載せて、酒をつくるふりをすればよい。それを見ていた取替え子が「わしは長いこと生きてきたが、卵の殻で酒をつくるなんて初めて見た」と叫ぶので、その妖精を暖炉の中に投げ込めば、金切り声を上げて煙突から飛び出して、本当の我が家に帰っていくという。この方法は、広い地域で行なっているのにも関わらず、妖精がそれを全く知らないというのは理解できないことだ。だが、この方法でも、我が子が返されないこともあって、その時は自分で妖精丘まで行って、救い出さなければならない。
妖精が人間の子供を盗む理由は、貢物にするためか、妖精族の補強のためか、子供の可愛さが気に入ったかのいずれかである。年配者が盗まれた場合は、その者が持つ資質のせいである。
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