ホノニニギとコノハナノサクヤビメとの間に、ホヲリ(ホホデミ)・ホスセリと共に生まれる。一般に「海幸彦」という名が知られており、『古事記』の海幸彦・山幸彦の神話は有名である。そのエピソードについては、ホホデミの項目を参照。
コノハナノサクヤビメの火中出産で生まれた神は、記紀諸伝によって少々の違いがある。表にすると、以下の通りである。
古事記ホデリ・ホスセリ・ホヲリ
日本書紀 九段本書火闌降命・ヒコホホホデミ・火明命
・同一書二火酢芹命・火明命・ヒコホホデミ
・同一書三火明命・火進命・火折火火出見尊・
・同一書五火明命・火進命・ホヲリ・ヒコホホデミ
・同一書六火酢芹命・ホヲリ
・同一書七火明命・火夜織命・ヒコホホデミ
・同一書八火酢芹命・ヒコホホデミ
いずれも、炎が燃え進む状態を表している。ホデリとは、火が燃え始め輝く様を意味している。だが、『日本書紀』にはホデリの名前は出てこず、代わりに火明命が登場する。『日本書紀』は、様々な異説を一書として全て記して行く。そこに出てこないということは、ホデリとは『古事記』の編纂者の手によって創られた神の可能性が強いといえる。
また、「火明命」は尾張氏(海人の豪族)の祖神であり、後世の伝承の混入だと考えられる。
『古事記』ではホデリを隼人の祖先としているが、『日本書紀』では火闌降命を隼人の祖先と記す。『新撰姓氏録』は大角隼人・阿多隼人を富須洗利命(ほすせり)の後裔であると伝える。この様にそれぞれの神の混同がみられるが、やはり『日本書紀』の説が一般には浸透していたらしい。どちらにしろ、朝廷の隼人への強い関心がここから見て取れるだろう。
|