カナアンの神話。フブルの街の王。彼は偉大で優れた王だったが、不幸なことに後継ぎがいなかった。ある時、彼が悲しみながら寝ていると夢の中に大神が現れ、ウドムの街を攻めるように告げる。
ケレトは早速それを実行し、王女フルリヤを手に入れる。神々は、二人の結婚を祝い祝宴を開いた。二人の間には、七人の息子と七人の娘が生まれることが予言され、ケレトは女神アシェラトに息子の一人を捧げることを約束する。
それから七年がたち、ケレトはその約束をすっかり忘れていた。ついに我慢できなくなったアシェラトは、彼に呪いをかける。ケレトは病に倒れ、死は間近に迫っていた。彼の息子達は王位の事ばかり気にしていたが、末の子イルハウだけは心から彼のために泣いた。しかし、大神はケレトを見捨てなかった。シャトカトという呪術士を彼の元に送り、病気を直してしまったのだ。
数日後、それを知らずに自分こそ王であるとやってきた息子ヤッツィブを、ケレト王が出迎えたところで物語は終わる。出土した粘土板にはこれ以上の記録が残っていないが、恐らく、本当に優しい心を持った、イルハウとシェトマネに王位が譲られたのだろう。
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