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 ・ニライ・カナイ :日本
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キンマモン ( キンマモン ) 英名: kinmamon

 地 域: 日本
 テーマ: 一般
 種 別: 名前

 キンマモンは沖縄で信仰されている神であり、「君真物」と表記する。この神は、遠方(海の彼方)から時を定めて来臨し、沖縄の最高神女である「聞得大君」に依り憑く神である。このことから、琉球神道の最高神であるとも考えられる。
 この神は、名前の由来は、「君」「真」「物」に分解して考えるとわかりやすい。 「物」は、大神神社に祭られる大物主神の「物」と同じで、「精霊」「霊威」「霊格」を意味する。つまり、大物主は、「偉大なる精霊の支配者」となるわけである。この「物」は後世では、「物の怪」などの意味として用いられるようになる。「真」は、本当のなどの意味であり、「物」と組み合わせて「真物」となると神仏を意味する。転じて王、偉人の意となる。神の申し子の意味もあったようである。「君」は、琉球語では「神女」を意味する言葉である。また、「君」を「君主」の意と解釈すると、大物主神と同様に「精霊の支配者」の意となる。柳田國男は、「海神宮考」のなかで、キンマモンは本来は「正式な巫女」の意であるとし、それが次第に変化して神そのものを指すようになったのだろうとしている。
 キンマモンに関する伝承は、『琉球神道記』、『琉球国由来記』等に見える。 『琉球神道記』にはこのような伝承が書かれている。「昔、人がまだなかった頃、天から男性神シチリキュ、女性神アマミキュが降りてきた、この二神は国を作った。また、主の祖先、神女の祖先、土民の祖先を産んだ。そして、竜宮から火がもたらされ、国が成熟し、人間も成長した。この時に人間を守護する神キンマモンが出現した。この神は海底を宮とした。また、毎月出現託宣して所々の拝林に休んだ。」キンマモンが海底を住居としていることから、ニライとの関係も読みとることが出来る。『琉球国由来記』の、久高島の項に、沖縄にはじめて穀物や豆がもたらされた伝承がある。それは、久高島の海岸に白い壷が漂着し、その中に穀物や豆の種子が入っていたというものである。その時に、「君真物出現、度々此山に託遊。誠に神遊の所と見へたり。念願祈ければ験あり。それより御嶽を崇始と也。」とある。他にも国に重要なことが起こる際は出現するともされている。
 以上を総合して私見を述べてみたい。神としてのキンマモンはもともと他の名、または名を持たない神や精霊のような存在であり、具体的には「海の彼方から来臨するマレビト」であっただろう。(聞得大君は、琉球王朝において太陽神の依りましとされるが、これは、後世の変化であって本来のキンマモンは太陽神ではないと思われる。)海の彼方から訪れるマレビイトは現世に様々な物を運んで来ると考えられていたのであろう。国土を繁栄させる霊力も海の彼方のニライからくると考えられていた。またキンマモンの語は、本来、柳田が言うように巫女の意ではなかっただろうか。意味としては巫女を意味する「君」に「真物」をつけたのは尊称であろう。そしてキンマモンはその巫女に寄りつくために、次第に巫女と神は同一視され、ていったのではなかろうか。「神女に他界から来臨した神が寄り付きそれを人々が神として迎える。」これがキンマモン信仰の核心であり、キンマモンの姿であろう。

項目情報

 作成者:春桜庵主人
 作成日:
 更新日:2005-03-16 00:00:00

参考文献
 ・『をなり神の島』1・2 伊波普猷 平凡社
 ・『琉球神道記』 袋中著  宜野座嗣剛 訳 東洋図書出版
 ・『琉球国由来記』(『琉球史料叢書』1・2 伊波普猷他編 井上書房)
 ・『定本 柳田國男集』柳田國男 第一巻 筑摩書房
 ・『海を渡る神々 死と再生の原郷信仰』外間守善 角川書店
 ・『マレビトの文化史 琉球列島文化多元構成論』吉成直樹 第一書房

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