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キワイ ( キワイ ) 英名:

 地 域: 台湾
 テーマ: 一般
 種 別: 名前

 タイヤル族鹿場蕃の伝承によると、昔々あるところにジワイという絶世の美人がいた。雷神キワイは美しい若者となって天から降りて、この娘と結婚した。
 ある日、キワイは姑と共に、山に出て開墾する事にした。山につくと彼は鎌も鍬も持たず、林の中で大きく息を吸うと、山谷に響く大声を発した。すると山の樹木は全て根こそぎ倒され、二度目に息を吐いたときはすっかり吹き飛ばしてしまった。そして籠の中から夕顔、瓢、胡瓜の種を取り出して撒いた。
 姑は、「稗や黍ならともかく、こんなものを撒いてどうするのか」と怒ったが、キワイはニッコリ笑って、「心配しないで下さい。」と慰めながら帰った。
 やがて収穫期になったので、キワイが一人で夕顔、瓢、胡瓜を収穫して家の前に山と積み重ねた。姑はそれを見て、「こんなに多くの夕顔は食いきれない」と愚痴をこぼしていたが、キワイは一向に耳を傾けずに、夕顔をせっせと干した。
 数日後、キワイが干した夕顔の一つを割ると、中には米、粟、稗が満ちていた。それを見た姑は、今まで散々小言を言ってきたことを後悔し、良い婿殿だと喜んだが、次の瞬間、キワイは粟を掴んで生のまま食べ始めた。
 姑は呆れ果てて、「待て待て、生で食べずに、炊いてはどうか」といってキワイを押しとどめ、無理に炊かせた。すると鍋から天地も裂けんばかりの大音響を発して、鍋はおろか家も人も跡形なく焼け失せてしまった。後に残ったのは、青々とした山芭蕉の葉ばかりであった。

項目情報

 作成者:泉獺
 作成日:
 更新日:

参考文献
 ・『生蕃傳説集』 佐山融吉・大西吉壽(国学院大学)

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