太古の昔、岩の中から女神が生まれた。その頃は食べ物がなかったので、女神は天に向かって食べ物を乞うた。すると天の神がそれを聞いて、魚や獣、米などを授けた。女神が米一粒を割って炊いた所、温かい飯が釜の中いっぱいに満ちた。
その頃、河原の砂を常食して生活している男神がいた。ある日、男神が河原へ行くと、この女神に出会い、両者は結婚して、男神が女神の所へ婿入りした。
ところが男神は米というものを知らなかったので、出された米を虫の卵だと思って捨ててしまい、河原の砂を持ち帰った。それでも女神は諦めず、男神が出かけている間に砂を捨てて米を持って帰った。
男神が帰ってきて食事をしようとすると、米が置いてあったので、
「二度まで虫の卵を食わせようとするとは何事か」
と怒って、米を捨てようとした。
女神はそれを押しとどめ、
「それは天から授かった米というものよ。一口食べてごらんなさい。それでもし口に合わないのなら捨ててもいいわ。大体あなたは食わず嫌いなのよ。」
と言ったので、男神は渋々米を食べたところ、非常に美味であった。以後、男神は米を食べるようになり、砂には見向きもしなくなった。
これはツォ族四社蕃に伝わる伝承である。
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