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| ラーンスロット (
ラーンスロット ) 英名:
Lancelot, Launcelot du Lake |
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別にランスロット、ラウンスロット、ランスロッド、ランスロ、ランチロットと呼ばれる。
また湖の妖精ヴィヴィアン(ニミュエ)に育てられたことから、”湖のラーンスロット”と呼ばれる。
マロリーに代表されるフランス系のアーサー王物語では、アーサー王をしのぐ実質的なフランス人主人公。
円卓の騎士中、最強の騎士で、最高(最悪)の色男。
ラーンスロットの原型を生み出したのは、12世紀のフランス人クレティアン・ド・トロワで、貴族の女性を愛する忠実で勇敢な騎士として、彼は生まれた。
クレティアンの『荷車の騎士』の中で、ラーンスロットは誘拐されたアーサー王の妃グィネヴィアを救出に向かう際、不格好な荷車に乗ることをも厭わず道を急いだため、”荷車の騎士”と嘲笑される。
自分の騎士としての名誉よりもグィネヴィアの身を案じるなど、ひとりの女性に対し非常に真摯であり、強い忠誠心を持つ。それもそのはずで、クレティアンに物語の制作を依頼したのは、政治的な結婚に不満を持っていた貴族の女性。ここで荷車の騎士というあだ名は、完全に誉め言葉として使われている。
『荷車の騎士』より数十年後、ウルリッヒ・フォン・ツァツィクホーヴェンが『ランツェレット』を著しており、これはクレティアンに遅れるものの、実際はクレティアン以前の”フランス語による原書ランツェレット”やその他の伝承に基づいて書かれたものだとも考えられている。
後世のマロリーの物語になると、ラーンスロットに関する様々な物語がさらにいろいろなところから集約されている。
カーボネックのエレインとの間にもうけたガラハッドのことは成人するまで完全に無視していたり、グィネヴィアに絶交宣言されて発狂したり、はたまたガウェインの弟や息子を殺してグィネヴィアを自分の城に入れて立て籠もり、自分は全く悪くないように言い訳してみたりと、意外に性格の悪いところをみせている。 実はすべてグィネヴィアがらみであり、ラーンスロットのグィネヴィアの事となると性格が変わってしまう部分が、次第に誇張されていったものだろう。
特に「聖杯探求」の物語を含んでしまうと、ラーンスロットがグィネヴィアを想っている期間は、実に約20年にも及んでしまい、物語としてはかなりまずい。
また、マロリーの物語中ではラーンスロットはグィネヴィアと同衾する。それをやや的外れながら訴えたメリアグランスを、グィネヴィアの示唆もあり、ラーンスロットはすでに勝負のついていた一騎討ちを強引に続けて殺害し、口を封じている。
騎士としては、3日間に及ぶ馬上槍試合(ジャスティング)で、500人の騎士を破り、それでいて1人も死者を出さなかったという強さを誇った。また、円卓の騎士の中でも屈指の騎士であるガウェインに、2度に渡り完勝している。
結局、王への忠誠や、騎士としての名誉よりも、グィネヴィアへの愛をとる形となり、運命の子モードレッドに並ぶほどの王国崩壊の原動力となる。
訳や受け取り方にもよるだろうが、マロリーは決してラーンスロットを騎士の鑑のような存在としては、描いていない。
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作成者:渡邉聡士 作成日:
更新日:2005-04-04 00:00:00
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・『アーサー王の死』 T・マロリー作 W・キャクストン編 厨川文夫・厨川圭子抄訳 筑摩書房
・『アーサー王ロマンス』 井村君江著 筑摩書房
・『アーサー王物語』 トマス・ブルフィンチ著 大久保博編訳 角川書店
・『アーサー王伝説紀行』 加藤恭子著 中公新書
・『図説アーサー王伝説事典』 ローナン・コグラン著 山本史朗訳 原書房
・『アーサー王伝説の起源』 C・スコット・リトルトン リンダ・A・マルカー著 辺見葉子 吉田瑞穂訳 青土社
・『図説ケルト神話物語』 イアン・ツァイセック著 山本史朗 山本素子訳
・『ケルトの神話』 井村君江著 筑摩書房
・『ケルト神話と中世騎士物語』 田中仁彦著 中公新書
・『新約聖書』 新共同訳 日本聖書教会
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