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ローカパーラ ( ローカパーラ ) 英名: Lokapala

 地 域: インド
 テーマ: 一般
 種 別: 名前

「世界を守るもの」の意。護世神。各方位にそれぞれ決まった神を配置するのだが、その構成や人数は、時代や文献によって微妙に異なっている。
 文献別の構成は概ね下記の通りである。

方角
アグニスーリヤインドラ
東南  アグニ
インドラヤマヤマ
西南  ニルリティ、スーリヤ
西ヴァルナヴァルナヴァルナ
西北  ヴァーユ、マルト
ソーマソーマクヴェーラ、ソーマ
東北  イーシャナ(シヴァ)、ソーマ
 アグニ 


)は「アタルヴァ・ヴェーダ」、()は「ブリハドアーラニヤカ・ウパニシャッド」からで、これらはヴェーダ時代の古典である。()は「マハーバーラタ」や他のプラーナ文献などによるもので、ヒンドゥ神話時代になってからの文献である。
 ヒンドゥ神話ではやや混乱が見うけられ、必ずしも固定化していない。それでも、インドラ、アグニ、ヤマ、ヴァルナは、以降不動の位置を保った。マルトはヴァーユの別名ともとれるので、ヴァーユも同様であろう。
 唯一、終始不動を誇るヴァルナは、ペルシアの聖典「アヴェスター」におけるアフラ・マズダーに対応するとされる神で、ペルシアがインドの西方に位置する事を考えると非常に興味深いものがある。
 彼らローカパーラは、メール山の八方にそれぞれ城を構えている。「城」と訳されてはいるが、正確には都市の意であろう。
 各都市の名は下記の通りである。

方角名称意訳支配者
アマラーヴァティー不滅なる所インドラ
東南テージョーヴァティー輝きに満ちた所アグニ
サンヤマニー導き集める所(※)ヤマ
西南クリシュナーンジャナー黒い膏薬(※)ニルリティ、ヴィルーパークシャ
西シュラッダーヴァティー信仰心溢れる所(※)ヴァルナ
西北ガンダヴァティー香り立つ所(※)ヴァーユ
マホーダヤ大いなる上昇(※)クヴェーラ、ソーマ
東北ヤショーヴァティー栄光に満ちた所(※)イーシャーナ(シヴァ)


 また、彼らは「ディグガジャ(方角の象)」と呼ばれる象に乗っているとされ、この象を総称して「ローカパーラ」と呼ぶ場合もある。
 各象の名は下記の通りである。

方角名前意訳乗り手
アイラーヴァタ大海から生まれたものインドラ
東南プンダリーカ 白蓮華アグニ
ヴァーマナ矮人ヤマ
西南クムダ白睡蓮(※)スーリヤ
西アンジャナ膏薬(※)ヴァルナ
西北プシュパダンタ花の歯を持つものヴァーユ
サールヴァバウマ全土の支配者クヴェーラ
東北スプラティーカ美しい容貌を持つ者ソーマ


 アイラーヴァタはアブラマータンガ(雲の象)と呼ばれる事もある。また、ヴァーマナは西方に配される事もあるようである。
 密教においては、彼らは「八方天」として取り入れられた。その場合の構成は下記の通りである。

方角尊名梵名
帝釈天インドラ(シャクラ)
東南火天アグニ
焔摩天ヤマ
西南羅刹天ニルリティ(ラークシャサ)
西水天ヴァルナ
西北風天ヴァーユ
毘沙門(多聞天)クヴェーラ(ヴァイシュラヴァ)
東北伊舎那天イーシャーナ


 多くは「十二天」としてまとめられ、これに梵天(ブラフマー)、地天(プリティヴィー)、日天(スーリヤ)、月天(ソーマ)を加えるのが一般的である。
 また、仏典における四天王もローカパーラであると言えようが、これは他項へ譲る。

(※)筆者による訳。誤訳の可能性もある。特にanjana(膏薬)の訳は限りなく怪しい。

項目情報

 作成者:ジェイド
 作成日:
 更新日:2005-03-10 00:00:00

参考文献
 
 ・「インド神話伝説辞典」 菅沼晃 編(東京堂出版)
 ・「漢訳対照 梵和大辞典」新装版 鈴木学術財団(講談社)
 ・「密教辞典」 佐和隆研 編(法蔵館)
 ・「眞言密教聖典」 小野清秀 著(更生閣)
 
 
 

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