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ニムロド ( ニムロド ) 英名: Nimrod

 地 域: (その他)
 テーマ: ユダヤ・キリスト教の神話・伝説
 種 別: 名前

 旧約聖書,「創世記」10章にその名前が登場する,ノアの子孫の一人で,クシュの子。勇敢な狩人であり,地上で最初の勇士となったとされる。彼の王国にあった町は,バベルの塔の一件で世界的に有名なバベル,ユーフラテス川下流域のウルク,現在の中部イラク北半部のアッカドだった。バベルは,バビロンのヘブライ語名である。

 そのことからか,彼は,ユダヤ人の伝説ではバベルの塔の建設を監督した畏れを知らぬ王であったといわれる。
 バベルの塔は,これも「創世記」に所収の有名な故事で,もっと天に近いところまで,神と同じ高さまで登りつめようとした人間たちの驕慢な心の象徴である。「創世記」11章の伝説では,当時,世界中の人間はみな一つの言葉を話していた。東の方から移動してきた人々は,バベルの地に住み着くと,れんがをつくり,それをよく焼こうと話し合った。また彼らは,天まで届く塔のある町を建設し,人類がばらばらに分かたれることのないようにしよう,と考えた。しかし,神はこの普請中の塔を見とめると,人間たちがみな一つの言葉を話しているからこのようなことを企てるのだとし,降っていくと人間の言葉を混乱させてしまった。
 これによって,世界には,現在に至っては6000にも及ぶ多くの言語が誕生したのだというのが聖書の伝説の説明するところである。
 その後,人々は各地に散らされ,塔のある町の建設は半途で中断されてしまった。こうして,この地が「混乱(バラル)」の町,バベルと呼ばれたのだと書かれている。なお,バビロンの実際の語源は,「神の門」の意味のアッカド語バブ・イルだそうだ。
 聖書の中に,ニムロドが直接建設に携わったことは書かれていない。
 ユダヤ人の伝説では,父クシュはニムロドを溺愛しており,魔法の皮を彼に与えた。この皮は,アダムとエバがエデンの園から放逐されたときに神から授かったもので,これを身に纏えば,動物は彼を見ただけで倒れ,彼と格闘して勝てる人間はいなかったという強力な力を持った品物であった。
 そうして一国を支配する王となり,自らを神にもなぞらえたニムロドの欲望はますます募り,やがて彼は,天に侵攻しようとまで考えた。そのための階梯となる建築物こそバベルの塔である。塔は,最上階まで登るのに1年かかるほどのものになった。
 彼らの計画の末路は聖書の伝説にもある通りになった。言葉を互いに通じられなくなった人々は,多くの誤解から不和が絶えずいくつもの民族に分かれていってしまった。人間のうちのあるものは猿や幻に変えられてしまったものもいたようだ。
 また神と70人の天使たちは,地上においてそれぞれの天使がどの国を守護するかをくじで決め,イスラエルの守護は大天使ミカエルが司ることになった。それぞれの国の国語も決定され,神が世界を創造したときに使った神聖な言葉であるヘブライ語はイスラエルの言葉となった。

項目情報

 作成者:秋桜
 作成日:
 更新日:2005-03-04 00:00:00

参考文献
 ・聖書 新共同訳 旧約聖書続編つき/日本聖書協会
 ・世界神話辞典/アーサー・コッテル/左近司祥子,宮元啓一,瀬戸井厚子,伊藤克巳,山口拓夢,左近司彩子訳/柏書房
 ・天使の事典 バビロニアから現代まで/ジョン・E・ロナー/鏡リュウジ,宇佐和通訳/柏書房
 ・マイクロソフト エンカルタ98エンサイクロペディア/マイクロソフト

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