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 ・帝釈天 :(その他)


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月の兎 ( ツキノウサギ ) 英名:

 地 域: 日本
 テーマ: 一般
 種 別: 用語

 月に姿が映るといわれる兎。
 その伝説は『大唐西域記』にも書かれ、アジア広域に伝わっている。
 日本では『今昔物語集』の第五巻第十三話に次のように書かれている。

 昔天竺に猿、狐、兎がおり、この三匹は自分が前世で罪を犯したために、この世に獣として生まれたのだと思い、善行を重ねていた。
 ある時、三獣の前に老人が現れ、私は老いてしまい力がないから養って欲しいと頼む。
 そこで、猿は果実や野菜など、狐はお供え物になっていた飯、魚貝類などを集めてきて老人に与えるが、兎は何も見つけることができない。
 兎は思案した末に、火を焚いて待っていてくれといってどこかへ行ってしまう。猿と狐が火を焚いて待っていると、兎は手ぶらで帰ってきた。
 そして兎は「どうぞ私を食べてください」と言って、火の中に飛び込む。
 それを見た老人は、本来の姿の帝釈天に戻り、火に飛び込んだ兎の姿を、皆に見えるようにと月の中に写した。月の面に雲がかかったように見えるのは、兎の体が焼けた時の煙だという。

 帝釈天は、仏教説話に吸収された時に登場したと思われ、もとの形は老人で仙人のような存在だった。仙人は獣たちの善心を試そうとしたのだが、その帝釈天の予想を超えた心を兎は示してみせる。
 また、猿、狐、兎に川獺(かわうそ)を加えた形もある。おそらく、魚介類を集める係として狐から分化したものだろう。
 仏典では、この後兎が釈迦に生まれ変わる形もある。

項目情報

 作成者:渡邉聡士
 作成日:
 更新日:2005-03-15 00:00:00

参考文献
・『日本書紀』 坂本/家永/井上/大野校注 (岩波書店)
・『古事記』 武田祐吉訳注 中村啓信補訂解説 (角川書店)
・『今昔物語集』 佐藤謙三校注 (角川文庫)
・『宇治拾遺物語』 中島悦次校注 (角川文庫)
・『御伽草子』 市古貞次校注 (岩波書店)
・『日本伝説集』 武田静澄 (現代教養文庫)
・『日本伝説集』 高木敏雄 山田野理夫編 (宝文館出版)
・『昔話・伝説必携』 野村純一編 (学燈社)
・『全国妖怪事典』 千葉 幹夫編 (小学館)
・『日本妖怪異聞録』 小松和彦 (小学館)
・『日本宗教の全て』 瓜生中 渋谷申博 (日本文芸社)

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