昔、月はなく、太陽がただ一つだけあって、昼になると半年はいつも昼ばかり、夜になると半年はいつも夜ばかりであった。その為、人々が困って、どうしたらいいかと考えていると、一人が、
「太陽の所に行って、太陽を半分にしたらどうだろう。そうしたら夜になったり昼になったりするかもしれない。」
と言った。
そこで、彼らは強い若者を三人選び、三人はそれぞれ赤ん坊を背負って出発した。そして道々、ミカンの木を植えて行った。
しかし、行けども行けども到着しない。若者として家を出た者たちは皆、白髪になってしまった。そして、太陽の近くまで来ると、皆死んでしまった。
すると彼らが背負っていた赤ん坊が若者になっていたので、彼らが代わりに行く事になった。そして遂に、太陽の出るところについた。
見ると太陽はとても熱い。そこで彼らは山の峠に身を潜めて待ち構えた。
すると太陽が出てきた。そこで弓を引き絞って矢を射ると、太陽に命中して血が迸り、太陽を射た者は頭から血を浴びて死んでしまった。血を浴びたけれども生き残った者は、行く時に植えておいたミカンの木の実を食べながら戻ってきた。そして家に着いた時は腰が曲がって杖を持ち、頭が白髪になっていた。
彼らが太陽を射てからは、昼は太陽が出て、夜は月が出るようになった。そしてそれ以降、すべての人間の生活が幸せになったそうだ。
これはアタヤル族の伝承であるが、これに類似する話は非常に多い。
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