北米ツィムシアン族の神話『アスディワル武勲詩』に登場する、アスディワルの息子。F・ボアズが標準版とした『アスディワル武勲詩』は1912年度版だが、1916年度版に、アスディワルが二番目の妻と結婚した時に生まれた子供として登場する。
その名は「とても軽い」という意味で、飛び散る火花の様に素早く動き回ることが出来たという。父と子はとても強い絆で結ばれていたが、異郷の者であったアスディワルを(冒険の途中で結婚した為)母方の兄弟が良く思わず、狩に出た時にアスディワルを置き去りにしてしまう。ワウクスには、獣に食われてしまったのだと説明し、父と子を引き裂いてしまったのである。
やがて、ワウクスはアスディワルの血を引き継ぎ立派な狩人になる。そして、母の勧めで従姉妹と結婚し(レヴィー・ストロースは、「交叉イトコ婚」のテーマとして取り上げている)、双子をもうける。その双子も狩人となるが、狩の途中に命を落としてしまう。
その翌年ワウクスは、妻と共に二人の息子が命を落とした場所へ狩に出る。しかし、魔法の道具である「槍」を忘れてしまった為に、命を落としてしまった。
ワウクスの冒険は、比べて貰えば分かる通りアスディワルの冒険の「同位項」である。細部は異なるものの、そのストーリーの潜在的内容(シェーマ)は相同だと考えられる。
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