ヴィヴァスヴァット(スーリヤ)の息子。妹のヤミーと共に、最初の生を受けた人間である。そして、初めての死者となった。
ムリティユ(Mrtyu・死)、アンタカ(Antaka・最終の者)、 ピトリパティ(Pitrpati・祖霊の主)、シャマナ(Samana・消滅させる者)などの別名を持つ。仏教における閻魔天である
ヤマの起源は遙か古代にあり、『アヴェスタ』のイマ(最初の人間で、理想的な統治者)に対応している。『ヴェーダ』において、死後の人間の魂を裁く様な記述は無い。
本来、ヤマは祖霊 (Pitri)達が暮らす、天界のもっとも高いところにある「ピトリス」の支配者であった。トヴァシュトリが作ったとされるこの天国の宮殿は、眩しいばかりの絢爛たる素晴らしさで、死者達の楽園だったという。
しかし、それが叙事詩の時代になると、死者の生前の行いを記録し、それを裁くという性格を持つようになった。「鬼籍に入る」とは、死ぬという事であるが、鬼籍(閻魔帳)とは彼が持つ「運命の書」の事である。その時代の彼の姿は、王冠をかぶった顔は凄まじい相貌で、血のような赤い服を着て、水牛に乗りながら、人間の命を奪う者として手には矛と縄を持っている。
また、ヤマはサラマーの子供である二匹の犬を連れている。その犬達は、四つの眼と斑があり、その鋭い嗅覚をもって、死すべき人間の匂いを嗅ぎつけ、ヤマの元へと連れて行くのである。
彼から、つまり「死」から逃れる方法は、トリムールティ(ヴィシュヌ・シヴァ・ブラフマー)を信仰することである。さすがのヤマも、彼らには逆らえないのだ。
ある時、一人のシヴァ・リンガ信奉者が、死を迎えようとしていた。ヤマは彼を連れていこうとするが、男はリンガ像を放そうしない。業を煮やしたヤマは、リンガごと彼を連れていこうとした。
それ見たシヴァは、自分のシンボルを侮辱された事に激怒し、ヤマを蹴り殺してしまった。
しかし、ヤマがいなくなった世界では、死ぬ人間がいなくなり、人間達で溢れかえり、大混乱となった。困り果てた神は、ヤマを生き返らせたのである。
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