彼はテュロス、シドン、アルワド、ビュブロス、そしてウガリットの民の上に座する3神のうち、一番親しまれていた神である。父親はエル(ただし、シドンでは彼もバールと呼ばれた)、そして母親はアシェラ(アスタルテー或いはビュブロスにおいてはバーラト)、そして、その二柱の神の子供がバアルである。ゲバル人にはアドン、アドニ、アドニスと呼ばれ、テュロス人にはメルカルト(太陽神として)、シドン人にはエシュムンと呼ばれた。また、キリスト教の聖ゲオルギウス、またイスラム教のハドルという形で、バールの姿は残っている。
彼の最大の特徴は彼の死によって季節が変わる(あるいは7年の周期で大干ばつが訪れる・・・冬ではなく夏が、作物にとって最大の敵だった)というところであろう。が、前述されているためにこの話は割愛する。
古いウガリットの神話において、バールは雨神である。彼は神々の住む山に宮殿をたて、そしてそこから雲に乗り稲妻を手にして現れる。また、「投げても舞い戻る棍棒」を武器として戦ったこともあるという。彼の神殿は多くが山に建てられており、それは彼が山岳神であったことも示している。
海の民であったフェニキアの人々にとって、嵐は最大の脅威であった。それを沈める神として、彼を称える歌などが残されている。カナアンの伝説では、彼は砂漠の縁で牛頭の怪物と戦って殺され、生き返ることはない。
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