地獄帝国の王の一人。シドン(フェニキアの都市。現在のサイダ)で崇拝された魔神。地獄の王達の中でも彼ほど放埒に溺れ、悪徳そのものの魅力に取り憑かれた者はいない。その心根はおぞましく卑しくとも、外見は素晴らしく、物腰は優雅さと威厳に富む美しい天使のままで、炎の戦車にまたがっている。ソドムをはじめ各地に信者はいたが、彼のために祭壇を建設する勇気は誰にもなかった。話しぶりは温和で、人に地位や寵愛をもたらし、友情を長続きさせ、有能な召使を世話してやる。80の軍団を統率し、自分に服従する危機は必ず救ってやる。かつては力天使で、その頃はサタナエルと呼ばれ、その名は『神の使い』という意味がある。
旧約聖書偽典『ヨベル書』によれば、まだ彼が天使だった頃、ノアの数代前にマステマという天使と共に地上に降り、人間の女性と交わり、ネピリムを産ませているが、その罪により天には帰れず、堕天使となった。詳しくはグリゴリの項を参照。また、ソドムとゴモラに背徳を持ち込んで、滅亡の原因を作ったともいわれている。
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