主にアイルランドやイギリスで信仰された魔術道具。
用途は、ろうそくの燭台にするか、中指のみを立ててそれ自体に火をつけてろうそくの代わりにする。魔女が使うが、犯罪にも多用されていたようだ。
栄光の手の効果だが、ろうそくの火を見た者は身動きが出来なくなる。もしくは、眠っている者を起きられないようにする。この効果はろうそくの火が消えるまで持続する。
そして、栄光の手の作り方もかなり手が込んでいる。
絞首刑にされた人間の手首を切り取り、柩にかける黒い布でくるんで、よく押し付ける。この手首と、ツィマ、硝石、塩、唐辛子のそれぞれを粉末にしたものを一緒に壷の中に入れて、二週間そのままにしておく。取り出して、土用の陽光に当てて乾燥させる。
燭台となる栄光の手に取り付けるろうそくは、首を括って自殺した人間の脂肪、蜂房から採ったばかりの蜂蜜、シザム、ポニ、これらの材料で作り上げる。
ツィマは、緑青もしくは硫酸鉄であり、ポニは、馬糞を意味すると思われる。ある地方の部族は馬糞をろうそくの材料にしているので、信憑性はある。
そしてこのろうそくに火をつけたら、いかなる方法をもってしても、ミルクの液体でしか消すことが出来ない。
この栄光の手の効果から身を守る方法がある。
黒猫の胆汁、白い雌鳥の脂肪、ふくろうの血、これらでつくった軟膏を家の扉の敷居、家に侵入できそうな場所に塗りこんでおけばよい。ただし、土用の時期に作った物に限る。
また、栄光の手の脇には必ず魔法のろうそくが置かれている。これは、地中に埋められた財宝を発見する力を持っているとされる。
|