サイトトップ | 事典トップ | ニュース | リンク
   Google  
Web 事典内検索
関連項目



関連サイト



関連書籍









スキタイの羊 ( スキタイノヒツジ ) 英名:

 地 域: (その他)
 テーマ: 一般
 種 別: 名前

現地語、別名等:タタールの羊、バロメッツ、リコポディウム・バロメッツ、シナ・バロメッツ

 15世紀ヨーロッパの百科事典として名高い「自然の鏡」(ヴァンサン・ド・ボーヴェ著)に登場する、動物を産む植物の名前。その外見は羊に似て黄色っぽい綿毛に覆われており、臍の緒のような茎で地面に繋がり、切れば血のような汁が出る、という。
 同様の記述は中世ヨーロッパの書物に多く見られ、例えばフランチェスコ会修道士オデリコが14世紀に著した「東方紀行」第31章によると、それはコーカサス山中に生ずる巨大なメロンで、熟すると二つに割れて、中から子羊ほどの大きさの動物が出て来るという。
 また、17世紀のサー・トマス・ブラウンが著した「伝染性謬見」には、その名は「タタールの羊」または「バロメッツ」であり、「狼が好んで食す」と記されている。
(しかしこの解説の参考にした澁澤龍彦・著の「幻想博物誌」の中では、バロメッツとは中国の北部に生える実在の羊歯植物の一種を意味し、その繊毛が羊毛によく似ている事から混同された可能性がある、という指摘もある。)
 また南方熊楠やジョセフ・ニーダムの報告によれば、この「スキタイの羊」と同様の伝説は中国やペルシアの文献にも見られるという。
 ボルヘスは「幻獣辞典」の中でバロメッツを取り上げ、ギリシャ神話のキマイラのような合成獣がそうであるように、バロメッツは動物界と植物界を合成した怪獣である、と述べている。

項目情報

 作成者:西村玄魁
 作成日:2005-09-06 00:00:00
 更新日:2006-08-26 00:00:00

参考文献
 ・『幻想博物誌』澁澤龍彦著 河出書房
 ・『幻獣辞典』ホルヘ・ルイス・ボルヘス、マルガリータ・ゲレロ著 柳瀬尚紀訳 晶文社

サイトトップ | 事典トップ | ニュース | リンク
Copyright (c) 2006 All Rights Reserved by Pandaemonium.