インドに流れる、ガンジス河を神格化した女神。バドラソーマ(神聖な飲み物)、バーギーラティー(バーギーラタ王が地上にもたらしたもの)、ハラシェーカラー(シヴァ神の頭髪)など、様々な名前を持つ。
ヒンドゥー教において、ガンジスは何よりも神聖な存在である。叙事詩やプラーナによると、元々ガンガーはシヴァの足の先から流れる天の河だったが、聖なる王バギーラタによって地上に流れる河になったという。
女神としてのガンガーは、ヒマヴァット(ヒマラヤ山)の娘、そしてパールヴァティーの妹といわれる。
ある時、ヴァス(Vasu)という悪鬼達が、修行しているヴァシシュタ聖仙の修行を邪魔して、彼を侮辱した。その罰を受け、ヴァス達は人間に生まれ変わるという罰を受けた。
そこで、ヴァス達はガンガー女神の元を尋ね、自分たちの母親になってくれるよう頼み込んだ。彼女は、条件付きでその願いを受け入れる。それは、彼女の本当の子供が産まれた時、8人のヴァスが自分達の子供に力を与えるという約束である。
そして、ガンガーは自分の伴侶を探すために地上に降りた。そこで出会ったのが、プラティーパ王だった。彼女は彼の右膝に座り、愛を囁いた。しかし、王の右膝はその子供が座る場所であるから、プラティーパは、自分の息子の妻となるように言った。
やがて、王にシャーンタヌという息子が生まれる。二人は、それが運命のように出会った。彼女は、自分のする事に何も文句を付けないという条件で、彼の求婚を受け入れる。
そして二人は幸せに暮らし、7人の子供を産む。しかし、ガンガーは生まれた子供を次々とガンジス河に流し、天国へと送ってしまう。じっと我慢していたシャーンタヌだが、8人目の子供の時、ついにたまらず声を張り上げてしまう。
約束を破られたことに悲しんだ彼女は、8人目の子供を抱いたまま、何処かに姿を消してしまった。
その息子こそ、『マハーバーラタ』などで活躍する、英雄であり、クル族の長老ビーシュマである。
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