インドの神話。その名は「骸骨を持つ者」という意味。『ラーマーヤナ』に登場する、猿軍の英雄。叙事詩によると、ハヌマーンは山のように巨大で、彼の顔はルビーの様に紅く輝き、限りなく長い尾を持っていた。その咆哮はまるで雷のようで、地の果てまで届いたという。
北方の守護者であり、風の神であるヴァーユと、アプサラスのアンジャナーとの間に生まれた。
彼の活躍は『ラーマーヤナ』の中で多く語られている。ある時、アヨーディヤーの宮殿を追放されて、森の中に住んでいたラーマは、最愛の妻であるシーターをラーヴァナに誘拐されてしまう。そこでラーマは、猿の王国キシュキンダーの王ヴァーリンに援軍を要請する。
猿軍の助けにより、ラーマ軍はラーヴァナの居城であるランカー島の手前まで侵攻するのだが、荒れ狂う海を越えることが出来ない。そこに登場するのがハヌマーンである。彼はその辺りでもっとも高いマヘーンドラ山に登ると、一気にランカー島までジャンプしたのである。
ランカー島は厳重な警戒が敷かれていた。彼は、小さな猫に姿を変えると、宮殿の中を探し回り、ついに無憂樹園(アシヨーカ)でシーターを発見する。彼は、ラーマの使者の証である指輪を彼女に渡し、必ず助けに来ると約束すると、ランカー島を後にした。
帰還したハヌマーンから、敵の状況を把握したラーマは、遂にランカー島に侵攻する。猿軍のは、工芸神ヴィシュヴァカルマンの息子ナラの協力によって、海上に橋を架けることに成功する。
戦いは熾烈を極めた。インドラジットとの戦いでは、ラーマとその弟であるラクシュマは瀕死の重傷を負わされてしまう。その時も、ハヌマーンは、4種の薬草をカイラーサ山ごと運んできて、二人を助けた。その後も戦いは続き、遂にラーマはラーヴァナを打ち倒し、ハヌマーンを伴いアヨーディヤに帰還したのである。
この様に、変幻自在で自由に空を翔るハヌマーンは、インドは元よりスリランカやタイなど、東南アジアでも人気がある神である。仏教国であるタイでは、白猿のハヌマーンは子供達の英雄である。
また、一説によればこの伝承が中国に伝わり、『西遊記』の孫悟空のモデルになったといわれている。
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