ギリシアの伝令の神で、ゼウスとマイアの子供。商業と角力(すもう)を司ったため盗賊たちに崇められる存在となり、盗賊の神としても有名。また、医術の神でもある。
アポロンに竪琴を授けたのもヘルメスである。彼は亀の甲羅からニンフたちとともに竪琴を作り出し、アポロンの神杖カドゥケウスと交換した。このカドゥケゥスの先端には二匹の蛇が巻き付いており、伝令の能力が備わっていた。古代ギリシアにおいて、戦場でこの杖を模したものを持っていれば、伝令は無事に通行できたという。
琴のほかに、彼が用いた楽器にシュリンクスがある。この笙(しょう)に似た楽器を用いて、彼は百目の巨人アルゴスを眠らせることに成功した。琴の発明者でもありシュリンクスの名手でもあったヘルメスは時に音楽の神としてアポロンと並び称される。
ギリシア人の信仰によると、彼は冥界と生者の世界とを行き来できたという。このためか、ローマ神話でヘルメスに相当する神メルクリウスは、北欧の死者の神オーディンと同一視されるということだ。
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