ヴィシュヌ第6のアヴァターラ(化身)である。その名は、「斧を持つラーマ」と意味。
かつてトレタ・ユガの時代、武士階級であるクシャトリヤがバラモンを退け世界を制圧していた。ヴィシュヌは、バラモンと神々を守るために、ジャマダ・アグニの息子として化身したのが、パラシュラーマである。シヴァからパラシュ(斧)を授けられた彼は、成長するにつれ斧の名人として知られるようになった。
ある時、ジャマダ・アグニが住む森に、カールタヴィーリヤという王が狩りにやってきた。王と出会ったジャマダ・アグニは、自分の庵に招いて、サバラという何でも思いのままの物を出してくれる魔法の聖牛で盛大に歓待した。それを見た王は、どうしてもそれが欲しくなる。何度も断られるが、ついに王は聖牛を無理矢理奪い去って行ってしまった。
激怒したのは、帰宅したパラシュラーマである。無敵の斧を握りしめると、王の住む宮殿へと向かった。王の軍隊がそれを阻もうとしたが、パラシュラーマはその全てを打ち倒してしまう。そして、カールタヴィーリヤの首をはね、聖牛を取り戻すことに成功したのである。
しかし、王の息子達も黙ってはいなかった。パラシュラーマが留守の間に、ジャマダ・アグニとその家族を殺害してしまったのだ。怒りに震えるパラシュラーマは、クシャトリヤの全滅を誓う。合計21回にも及ぶ戦いの果て、パラシュラーマはこの世からクシャトリヤを消し去ったのである。
このエピソードは、バラモンとクシャトリヤの絶えることのない闘争を表していると考えられている。しかし、パラシュラーマはバラモンにも関わらず、気性が荒く闘争的である。パラシュラーマ自体、実はシヴァの信者であり、その武器である斧はシヴァから授かった物である。ヴィシュヌの化身とされているが、元々はシヴァ系の神だったのではない
だろうか。
他にも『ラーマーヤナ』においては、同じヴィシュヌの化身であるラーマチャンドラと対立しているのも興味深い。
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