H.P.ラヴクラフトの小説『闇に囁くもの』(1930年)等で「千匹の仔を孕みし黒山羊」と呼ばれる邪神。ヘイゼル・ヒールドの小説『永劫より』(1935年)では、フォン・ユンツトの『黒の書』に記された事として、紀元前173148年に失われたヒューペルボリア(ムー大陸)において、神官トヨグによって崇拝されていたという。D.J.ウォルシュJrの小説『呪術師の指輪』(1971年)では、南米デルニエールのヴードゥー信仰に用いられる魔像として、シュブ=ニグラスの姿が描写されている。それによると、山羊のような生き物だが、はっきりとした違和感、不自然さを持っており、何本かの触手があって、見誤りようのない冷笑的な、しかし人間的な感情を持った像だったのだ。1933年にH.P.ラヴクラフトがJ.F.モートンに宛てた書簡の中で描いた邪神系図によると、ヨグ=ソトースの妻であり、邪神達の母となっている。
リン・カーターが『クトゥルー神話の神神』で書いているように、一般的にクトゥルー神話における豊饒の女神であり、地の精霊だとされている。黒山羊の姿をしているのは、「サバトの黒山羊」に由来しているのだろう。
ジョージ・ヘイ編の『魔導書ネクロノミコン』には、シュブ=ニグラスの召喚方法が具体的に記されており、それに書かれた召喚呪文は以下の通り。
「イア!シュブ=ニグラス! 大いなる森の黒山羊よ。我は汝を召喚する者なり。汝の下僕の叫びに応えたまえ、力ある言葉を知るものよ。眠りから目覚め、千匹の仔を率いてあらわれたまえ。我は印を結び、言葉を発して、扉を開ける者なり。現れたまえ、我は鍵をまわしたり、再び地上を歩みたまえ。ザリアトナトミクス、ヤンナ、エティナムス、ハイラス、ファベレロン、フベントロンティ、ブラゾ、タブラソル、ニサ、ウァルフ=シュブ=ニグラス。ダボツ・メムプロト!」
鎌田三平の小説『アローン・イン・ザ・ダークT』(1995年)には、シュブ=ニグラスの力を借りて魔力を得たものの、シュブ=ニグラスの落とし子と融合するはめになったプレグスト船長が登場している。そうならないよう、十分注意して召喚するべし。
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