サイトトップ | 事典トップ | ニュース | リンク
   Google  
Web 事典内検索
関連項目

 ・目連 :(その他)
 ・釈迦如来 :(その他)
 ・帝釈天 :(その他)
 ・浄土 :(その他)
 ・スメール :インド


関連サイト



関連書籍









舎利弗 ( シャリホツ ) 英名:

 地 域: (その他)
 テーマ: 仏教の神話・伝説
 種 別: 名前

 釈迦の弟子1250人の中「智恵第一」と讃えられ、目連と双璧を成す傑物。経中の出番も数多い。

 舎利弗はバラモン階級の子として将来を嘱望されつつ生まれた。

 彼は周囲が期待した通り、幼い頃から驚異的な頭脳を発揮し、8歳にして神童の誉れを恣にしていた。目連とはその頃からの長い付き合いである。宗教青年に育った彼は、仏教徒になる前にも幼なじみの目連と一緒に他教団の支部長をやっていた。

 そんなある日、偶々王舎城に乞食に来ていた最初の仏弟子の一人に出会い、転機が訪れる。時にその仏弟子は釈迦に帰依してまだ5年そこそこであり、故に舎利弗に対しては粗略な概説を示すのが精一杯であった。にも関わらず、彼はそれを聞いただけで仏教に目覚める。すぐさま目連を誘い、250人の部下達共々仏教に入信したのであった。その後の進歩も目覚ましく、入信から半月後にはもう修行の最終段階に到達していた。

 さてこのように人生を共に歩んできた舎利弗と目連は、一見腹蔵するところ無き無二の親友のようである。しかし、実は舎利弗の方は密かに激しいライバル意識を燃やしていたようである。

 ある日のこと、彼は縫い物に手間取って釈迦の説法に遅刻していた。そこで釈迦は督促する為に目連を遣わす。目連は舎利弗の難儀を見て、何気なく得意の神通力で手伝い、忽ち仕上げてしまう。しかし舎利弗はその厚意を挑発と受け取り、やおら腰帯を解くや擲ち、「持ち上げてくれよ」と吹っ掛けた。尋常にはいかないと察した目連は全力を尽くして持ち上げようとし、大地も須弥山も大いに震えたのだが、肝心の帯は微動だにもしない。
実は、舎利弗は帯を閻浮樹と須弥山、そして釈迦の尻の下にこっそり繋ぎ合わせていた。先の地震は目連の渾身の神通力が大地に直接伝わって起きていたのである。目連は親友の奸計にまんまと騙され、第一と誇った神通力もこれまでとすっかりしょげ返ったのだった。

 そうは言っても、やはり二人は並大抵ならざる固い友情で結ばれていた。そのことを鮮烈に印象付ける、舎利弗の最期についての伝説がある。

 釈迦80歳の夏安居のある日のことである。舎利弗と目連は内心、この夏安居が終わったら死んでしまおうと決めていた。その思いを察知した釈迦は両名と行動を共にし、病気を理由にして舎利弗に弟子達への説法を委ねる。舎利弗は言われた通り、自分の出家当時を振り返りながら説法を始めた。
 その間、実は目連は大変な目に遭っていた。(「目連」項参照)見るも無惨な姿となって帰ってきた目連は、すぐにも死にたいと舎利弗に打ち明ける。勿論舎利弗は慰留するのだが、目連の決心は揺るがない。と見るや、舎利弗も決意した。「ちょっと待て!君が死ぬと言うのなら、先ず私が死のう」。目連は押し黙ったまま答えない。答えられるはずがない。舎利弗は釈迦の下に向かった。
 釈迦に面会した舎利弗は単刀直入に切り出した。「今から死のうと思います。お許し下さい」。この唐突な申し出に、釈迦も言葉が無い。再三同じやりとりを繰り返した末、釈迦は慰留を試みる。しかし、舎利弗はどうあっても釈迦よりも先に死にたいと言い、その決意は固い。ついに釈迦は舎利弗の願いを許した。
 舎利弗が釈迦の下を辞すると、皆が後を追ってきた。しかし舎利弗が一同に諸行無常の理を説いて今生の別れを告げると、皆はやむなく涙に濡れて舎利弗を見送った。舎利弗は生まれ故郷に帰り、そこで発病して滅度した。最期を看取ったのは帝釈天であった。

 斯くして舎利弗は声聞として一生を過ごした訳だが、前生に遡れば実はかつて60劫ほど菩薩としての修行に勤しんでいた時期があった、とも語られる。

 ある時、舎利弗の眼球を執拗に欲しがる人物が現れた。仕方無く彼は片目を剔り出して与えたのだが、何とその人は眼球を手にすると臭いを嗅いで臭がってみせ、唾棄して捨て去り踏み躙ったのである。舎利弗は思った。「こんな奴の面倒まで見てられるか!」と。こうして彼は菩薩道を放棄したのであった。

 しかし一度は放棄した菩薩道だが、釈迦が説いた『法華経』の教えに導かれて大乗に復帰した。遥かな未来、彼は「華光如来」と云う仏に成り、「離垢」と云う仏国土を建設することになっている。そして、本願に従い、三乗の教えを垂れることだろう。

 尚、彼の著作として、全30巻からなる『舎利弗阿毘曇論』が伝わっているが、勿論偽作である。

項目情報

 作成者:水月
 作成日:
 更新日:2005-03-16 00:00:00

参考文献
『増一阿含経』(『大正新脩大蔵経』第2巻所収)
『法華経』(『大正新脩大蔵経』第9巻所収)
『智度論』伝竜樹(『大正新脩大蔵経』第25巻所収)
『仏弟子の生涯』中村元(春秋社『中村元選集[決定版]』第13巻)

サイトトップ | 事典トップ | ニュース | リンク
Copyright (c) 2006 All Rights Reserved by Pandaemonium.